とろけるような、キスをして。
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元々掃除は嫌いじゃない。だから始めると時間を忘れてしまったりする。
先ほどの面接も然り、今の掃除も然り。
何かに熱中すると、周りが見えなくなってしまうのは昔からの悪い癖だ。
ふと気が付いたのは、スマートフォンが着信を知らせた時だった。
「……もしもし?」
『あ、みゃーこ?今どこ?』
それは先生からの電話。
「まだ実家だけど」
答えて何回か会話をしているうちに外から車の音がした。
先生が来たのか。そう思って電話しながら玄関から顔を出すと、案の定そこにはスマートフォンを耳に当てた先生の姿が。
ひらひらと手を振ると、その端正な顔立ちは急にムッとした表情になる。
「こら、誰か確認してから出ないと危ないだろう」
電話を切った先生は、開口一番にそう叱ってきた。
「ごめん。先生来たのかなって思って」
「うん。そうだとしても最近は物騒なんだから、ちゃんとインターホン出てからにして」
「はぁい」
素直に返事をしてから、「入る?今掃除してるから埃っぽいかもしれないけど」と家の中を指さす。
「うん。お邪魔します」
「どうぞ」
玄関に入るように促して、私は家の中に戻った。