とろけるような、キスをして。
「なんか面白いニュースやってる?」
「全然。ご飯屋さんの特集ばっかり」
「気になる店あった?土日に行く?」
「うーん、あんまり真剣に見てなかったからなあ」
「そっか」
ふと、沈黙が訪れた。
テレビから流れるアナウンサーの声が、部屋に響く。
それを聞いていると、段々と瞼が重くなってくる。
「……みゃーこ?眠い?」
「……ん、ちょっと。今朝早かったから……」
時刻はまだ十八時くらいなのに。
お腹がいっぱいになったからか、急に眠くなってきた。
「寝る前に風呂入ってきな」
「うん……」
口に手を添えながら、大きく欠伸をする。
なんとかグッと目を開いて、先生が沸かしてくれたお風呂に入った。
そして、トラベル用に持ってきていたはずのシャンプーやコンディショナーなどを荷物の中に忘れてきたことに気が付いた。
「……先生、ごめんね。ちょっと使わせてもらいます」
何故だか両手を合わせて、シャンプーボトルにお祈りするように目を閉じた。
そして普段先生が使っているであろう、シャンプーを借りて頭を洗う。
湯船にしっかりと浸かって、ほかほか状態で上がってくるといくらか目が覚めて、あらかじめ脱衣所に置いておいたスウェットに着替えて髪を乾かす。リビングに戻ると先生が入れ替わりにお風呂に向かった。