とろけるような、キスをして。
「みゃーこちゃんが働いてた頃が懐かしいわ。私たちも初めてアルバイトの子を雇ったから、てんやわんやでたくさん迷惑かけちゃった」
「え、私が初めてのバイトだったんですか?」
「うん。だからお給料のこととか、いろいろ勝手がわからなくて困ってたの」
「全然気付かなかったです。まぁ、私もここが働くの初めてだったから、よく分かってなかったってのもありますけど」
「ふふっ、あの頃のみゃーこちゃん、本当に初々しくて可愛かったもんね」
「そんなことないですよ。ただの世間知らずだっただけです」
二人と久しぶりに再会したこともあり、会話が弾んで思っていたよりも話し込んでしまった。
プリンも食べ終わり、食後に残っているホットチョコレートをゆっくりと飲む。
まぁ、話し込むというよりは二人が先生との話をもっと聞きたがっているだけなのだが。
二人からの圧にたじたじになっていると、ちょうどタイミングを見計らったかのように着信があった。
「……あ、先生だ。……もしもし?」
『みゃーこ?今どこ?』
「あぁ、ごめん。今ね、大和さんと雛乃さんのところにいるよ」
告げると、すぐにここに向かうそう。
「今先生来るみたいです」
まだ来ていないのに、大和さんは先生の分もコーヒーを用意し始めた。
「あいつに激励の意味を込めてサービスしないとな」
何の激励なのかを聞こうとした時、カフェのドアが開いて先生が顔を出した。