どこまでも
身だしなみを整えてキッチンに向かうと、ちょうど朝食ができたところらしかった。サーバーからマグカップへコーヒーをよそっていた妻の明日美が優希に気がつき、笑みを浮かべる。
「ゆうちゃん、おはよう!」
「おはよう」
「そろそろ起こしに行こうかなって思ってたところ」
朝だというのに、きれいにメイクされている明日美のほほのエクボが深くなる。
ナチュラルな天然木で作られたダイニングに腰掛け、向かい合って朝食を取る。明日美が弾んだ声を出した。
「今日だね結婚記念日。6時にレストランで待ち合わせ、でいいのよね」
「そうだね」
ふふ、と楽しそうに笑い、「3年目、かあ」と壁に飾られた写真に視線を送る。
真っ白でふんだんに使われたレースが広がるウェディングドレスに身を包んだ明日美が、今よりほんの少し幼い笑顔で笑っている。その隣には穏やかに微笑む優希がいる。
あの日も晴れやかで、すべてに祝福されている一日だった。
「オシャレして行くから。楽しみにしてて」
それは「幸せ」と呼べるような、ありふれた日常の景色。
「ゆうちゃん、おはよう!」
「おはよう」
「そろそろ起こしに行こうかなって思ってたところ」
朝だというのに、きれいにメイクされている明日美のほほのエクボが深くなる。
ナチュラルな天然木で作られたダイニングに腰掛け、向かい合って朝食を取る。明日美が弾んだ声を出した。
「今日だね結婚記念日。6時にレストランで待ち合わせ、でいいのよね」
「そうだね」
ふふ、と楽しそうに笑い、「3年目、かあ」と壁に飾られた写真に視線を送る。
真っ白でふんだんに使われたレースが広がるウェディングドレスに身を包んだ明日美が、今よりほんの少し幼い笑顔で笑っている。その隣には穏やかに微笑む優希がいる。
あの日も晴れやかで、すべてに祝福されている一日だった。
「オシャレして行くから。楽しみにしてて」
それは「幸せ」と呼べるような、ありふれた日常の景色。