どこまでも
「優希のこと、羨ましくて仕方なかったんだ」
「禄朗が、ずっと、ぼくのもの……」

 言葉に出して呟くと、ほろほろと涙がこぼれおちた。一度溢れた気持ちはとめどなく優希の頬を濡らす。

 もう二度と手に入らないと思っていた禄朗の気持ちは、ずっと優希のものだった。それは本当のことなんだろうか。今もそうなんだろうか。

 ずっと愛していると言った言葉は今も変わっていないのだろうか。優希は俺のものだろうと不敵に笑う禄朗を、いますぐ抱きしめたいと思った。



 絶対に見つける、と優希は心を決めた。

 もう二度と離さない。ひとりぼっちになんかしない。迷子になった禄朗を取り戻して、今度こそもう手を離さない。



 ぼんやりと灯る街灯の下で、泣きながら優希は固く心に誓った。
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