どこまでも
たくさんの男たちにレ◯プされたことなんか、忘れてしまいたかった。なにより禄朗を傷つけたくない。だけど覚悟を決めたAllyは先を続けた。
「優希を呼び出して薬を飲ませ、ホテルに連れ込んでたくさんの男に襲わせました。病院に運ばれて、そのことがバレて、離婚に繋がりました。ごめんなさい!」
「やめろ!!」
言葉にすればそれだけのことだ。だけどあの苦しみでしかない時間はとてつもなく長く、今でも優希を絶望の淵に落とそうとする。優希は耳をふさいだ。
いくら後悔しても取り返しはつかない。自分のしでかした罪を告白するAllyは、真っ青になり震えている。だけど視線だけはまっすぐに禄朗を見つめている。
「日本での個展の時……優希を見た瞬間わかった。禄朗を取られるって。怖かった。絶対渡したくなくて、ただそこにいるだけで禄朗を魅了できる優希を憎んで、どうしたら傷つけてやれるかって、復讐するつもりで……実行した」
「それで?」
必死に怒りを抑えながら、禄朗はAllyを追い詰めていく。
「薬を飲ませてわけのわからなくなった優希をみんなでオカした。だけど優希はそんなことになってるのにずっと禄朗を守ろうとしていた。意味が分からなかった。でも、いまならわかる。気を失って動かなくなった優希を置いてホテルを出て……救急車を呼んだ」
Allyの言葉にあの時のことがリアルに思い出された。何人もの知らない男たちの野卑な笑い。人の体をおもちゃのように扱い、汚した、あの時間。
震える優希を抱きしめながら禄朗は先を促す。
「そのあとのことは知らない。だけど病院に運ばれた優希を見れば何をされたのか一目でわかっただろう。離婚の原因にはなりえる」
Allyの告白にケイトは真っ青になったまま動かなかった。信じられないとばかりにAllyを見つめている。
禄朗は小さく息を吐きながら言葉を出す。
「なんで今まで黙ってた?」
「ごめん」
謝るAllyにかぶさるように優希は答える。
「ぼくが頼んだんだ。言わないで、って。……もう終わったことだし、ぼくは大丈夫だから」
「大丈夫って、なに?なんで黙ってたんだよ!」
髪が逆立ちそうなくらい怒りを含んだ禄朗に、気圧されても優希はひるまなかった。
「ごめん、でも知ったら禄朗が傷つくと思って……言わないように頼んだ。確かにあれが原因で離婚した。でも、だからこそ大事なことが分かったんだ」
「優希を呼び出して薬を飲ませ、ホテルに連れ込んでたくさんの男に襲わせました。病院に運ばれて、そのことがバレて、離婚に繋がりました。ごめんなさい!」
「やめろ!!」
言葉にすればそれだけのことだ。だけどあの苦しみでしかない時間はとてつもなく長く、今でも優希を絶望の淵に落とそうとする。優希は耳をふさいだ。
いくら後悔しても取り返しはつかない。自分のしでかした罪を告白するAllyは、真っ青になり震えている。だけど視線だけはまっすぐに禄朗を見つめている。
「日本での個展の時……優希を見た瞬間わかった。禄朗を取られるって。怖かった。絶対渡したくなくて、ただそこにいるだけで禄朗を魅了できる優希を憎んで、どうしたら傷つけてやれるかって、復讐するつもりで……実行した」
「それで?」
必死に怒りを抑えながら、禄朗はAllyを追い詰めていく。
「薬を飲ませてわけのわからなくなった優希をみんなでオカした。だけど優希はそんなことになってるのにずっと禄朗を守ろうとしていた。意味が分からなかった。でも、いまならわかる。気を失って動かなくなった優希を置いてホテルを出て……救急車を呼んだ」
Allyの言葉にあの時のことがリアルに思い出された。何人もの知らない男たちの野卑な笑い。人の体をおもちゃのように扱い、汚した、あの時間。
震える優希を抱きしめながら禄朗は先を促す。
「そのあとのことは知らない。だけど病院に運ばれた優希を見れば何をされたのか一目でわかっただろう。離婚の原因にはなりえる」
Allyの告白にケイトは真っ青になったまま動かなかった。信じられないとばかりにAllyを見つめている。
禄朗は小さく息を吐きながら言葉を出す。
「なんで今まで黙ってた?」
「ごめん」
謝るAllyにかぶさるように優希は答える。
「ぼくが頼んだんだ。言わないで、って。……もう終わったことだし、ぼくは大丈夫だから」
「大丈夫って、なに?なんで黙ってたんだよ!」
髪が逆立ちそうなくらい怒りを含んだ禄朗に、気圧されても優希はひるまなかった。
「ごめん、でも知ったら禄朗が傷つくと思って……言わないように頼んだ。確かにあれが原因で離婚した。でも、だからこそ大事なことが分かったんだ」