茨ちゃんは勘違い
前述の通り、安部と木更津が抱く感情には決定的な違いがあった。
安部は純粋な好奇心によるもの。
そして木更津は恋というより"変"に近いものだということ。
何れにせよ、二人が好意を寄せている相手が若干モンスター寄りな時点で理由は然程問題ではないのかもしれない。
というより、色々問題あり過ぎで、突っ込みようがないだけなのだが。
やたら説明が長くなったので、話を戻そう。
安部は生首(木更津)がニヤニヤと笑う様を見て、背筋が凍っていた。
膀胱が今にも破裂しそうな勢いを必死で堪えるが、気色悪いくらい内股になってしまう。
半泣きになりながら、安部は思った。
(声も上げられない……尿を漏らす訳にもいかない……こんな窮地は初めてだ!)
勝手に覗き見している上に、勝手に霊だと勘違いしているこの男自身が全部悪いのだが、そろそろ限界突破する寸前であった。
もう無理だよママン──安部が愛する母親の顔を思い浮かべ、下腹部の筋肉を緩めようとした──その次の瞬間。
悲鳴が上がった。
安部は純粋な好奇心によるもの。
そして木更津は恋というより"変"に近いものだということ。
何れにせよ、二人が好意を寄せている相手が若干モンスター寄りな時点で理由は然程問題ではないのかもしれない。
というより、色々問題あり過ぎで、突っ込みようがないだけなのだが。
やたら説明が長くなったので、話を戻そう。
安部は生首(木更津)がニヤニヤと笑う様を見て、背筋が凍っていた。
膀胱が今にも破裂しそうな勢いを必死で堪えるが、気色悪いくらい内股になってしまう。
半泣きになりながら、安部は思った。
(声も上げられない……尿を漏らす訳にもいかない……こんな窮地は初めてだ!)
勝手に覗き見している上に、勝手に霊だと勘違いしているこの男自身が全部悪いのだが、そろそろ限界突破する寸前であった。
もう無理だよママン──安部が愛する母親の顔を思い浮かべ、下腹部の筋肉を緩めようとした──その次の瞬間。
悲鳴が上がった。