茨ちゃんは勘違い
…
……
………
サンドバッグで汗を流し終えた百合絵は、お風呂でも汗を流し、寝間着に着替え自室で寛いでいた。
ベッドで俯せのまま、まだ火照っている身体を冷まそうと手でパタパタ扇ぐ動作をし寝転がっていたが、突然起き上がると今度は壁に掛けてある時計をチラチラ気にしだした。
時刻は8時50分。
百合絵は、ベッドのすぐ側にある机の方へ向かい、そのまた側にある窓を覆うピンクのカーテンを開けた。
窓からは真向かいの家が見えるようになっていて、丁度二階の部屋が百合絵の部屋と同じ位置にあり、簡単に相手の部屋を覗き見する事が可能になっていた。
しばらくすると、向かいの部屋に明かりが灯り、一人の男が現れた。
それに直ぐ様反応した百合絵は、机に置いてあった携帯を掴み、アドレスから『椙村晃《すぎむらあきら》』にカーソルを合わせて電話をかけた。
向かいの男がそれに気付き、電話に応じる。
“もしもし?百合絵ちゃん”
(晃さん…)
百合絵は声を聞いただけで、無駄に有頂天になった。
……
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サンドバッグで汗を流し終えた百合絵は、お風呂でも汗を流し、寝間着に着替え自室で寛いでいた。
ベッドで俯せのまま、まだ火照っている身体を冷まそうと手でパタパタ扇ぐ動作をし寝転がっていたが、突然起き上がると今度は壁に掛けてある時計をチラチラ気にしだした。
時刻は8時50分。
百合絵は、ベッドのすぐ側にある机の方へ向かい、そのまた側にある窓を覆うピンクのカーテンを開けた。
窓からは真向かいの家が見えるようになっていて、丁度二階の部屋が百合絵の部屋と同じ位置にあり、簡単に相手の部屋を覗き見する事が可能になっていた。
しばらくすると、向かいの部屋に明かりが灯り、一人の男が現れた。
それに直ぐ様反応した百合絵は、机に置いてあった携帯を掴み、アドレスから『椙村晃《すぎむらあきら》』にカーソルを合わせて電話をかけた。
向かいの男がそれに気付き、電話に応じる。
“もしもし?百合絵ちゃん”
(晃さん…)
百合絵は声を聞いただけで、無駄に有頂天になった。