茨ちゃんは勘違い
「それにしても、何で城山さん非常ベルなんて押したんだろうね?百合絵ちゃん、何か知ってる?」
「さぁ~♪なんの事やらサッパリ♪」

声が上擦っているので、勘の良し悪しは関係なくバレバレな感じだ。

桜は納得のいかない顔をして、百合絵に食い下がる。

「本当に~?百合絵ちゃん、実は知ってるんじゃないの?あんなに城山さんと仲が良いんだから…」
「誰があのクソ女と仲良しこよしだってぇぇえぇぇっ!!?」

条件反射、過剰反応による百合絵の暗黒面が曝け出るのとほぼ同時。

桜の表情が一瞬にして強張った。

百合絵は、しまったと思ったが、どうも様子がおかしい。

桜は自分では無く、視線をやや上に向けている。

ゾクリという悪寒が百合絵の背中を走った。

恐る恐る机の方に向き直ると…。

そこには全身黒尽の暗黒指揮官こと、黒酉が仁王立ちしていた。

「あは…ははは…。」
「私の『極めて静かに自習するように』という丁寧な説明も、腐った脳では理解出来ないようだな?小娘。」
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