茨ちゃんは勘違い
「しかも、顧問は私だ。」
「はぁ……はぁっ!?」
「ふぇえっ!?」

その言葉に、二人は一瞬にして青ざめ、首を横にブンブン振った。

リズミカルに、無理無理無理無理無理無理無理無理無理、と。

それに対し、黒酉が掴んでいた肩に一層力を込める。

「痛たたたた痛ったたたったたっ!!」
「ひんぎゃああぁぁあぁぁぁっ!?」
「貴様等二人共、根性を叩き直した方が良さそうだから、是非入部しろ。いやもう、決定事項だ。明日から来い。」

んな馬鹿なっ!!

横暴だ!精神的にも体罰だ!入部なんてしたら……。
確実に……。





殺 さ れ る





百合絵と茨はこの瞬間、心が1つになったぐらい同じ事を頭の中で巡らせていた。

「いや、いや、嫌、あの~~実はもう決めている部活あったりなんかしちゃったりして…」
「どこだ言え。」
「あ~~う~~そのぅ~…。」
「言え。もしもあるなら私が却下してくる。」
「ぁ…ぃぇ…私の勘違いでした…。」

何とかこの状況を打破しようと試みた百合絵だったが、どう足掻いても無理だと知り、項垂れた。
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