茨ちゃんは勘違い
その姿を横目で見ていた茨だったが、黒酉の迫力に負けじと精一杯抵抗した。
「あ、あのっ!!」
「あん?」
ギラリと光る、問答無用の黒酉のメンチに、茨は動きが固まる。
「……いえ……なんでも無かったです……。」
本当は、「アタシ不治の病にかかっていて、水泳とかそういう激しい運動はお医者様から止められているんです~!!ドクターストップなんです~!!」的な事を言う筈だったのだが、やはり成す術は無かった。
そんなもんである。
鷲の爪の如く、二人の制服に食い込んでいた手をパッと離すと、黒酉は嬉しそうに話を勝手に進めた。
「よしお前等、水着他用具はあるか?無ければ用意してやる。有り難く思え、普通なら自己負担だがお前等はまだ新入生だから特別に部費から出してやるぞ。」
「あー……そーなんですかー……ははっ、嬉しいなぁ……。」
「茨、嬉し過ぎて、涙がチョチョ切れそうです……うぇーん……。」
「そうかそうか。はっはっはっ。」
確実に喜んでいるのは黒酉一人だけで、二人は明日以降の生きる気力を無くしていた。
「あ、あのっ!!」
「あん?」
ギラリと光る、問答無用の黒酉のメンチに、茨は動きが固まる。
「……いえ……なんでも無かったです……。」
本当は、「アタシ不治の病にかかっていて、水泳とかそういう激しい運動はお医者様から止められているんです~!!ドクターストップなんです~!!」的な事を言う筈だったのだが、やはり成す術は無かった。
そんなもんである。
鷲の爪の如く、二人の制服に食い込んでいた手をパッと離すと、黒酉は嬉しそうに話を勝手に進めた。
「よしお前等、水着他用具はあるか?無ければ用意してやる。有り難く思え、普通なら自己負担だがお前等はまだ新入生だから特別に部費から出してやるぞ。」
「あー……そーなんですかー……ははっ、嬉しいなぁ……。」
「茨、嬉し過ぎて、涙がチョチョ切れそうです……うぇーん……。」
「そうかそうか。はっはっはっ。」
確実に喜んでいるのは黒酉一人だけで、二人は明日以降の生きる気力を無くしていた。