茨ちゃんは勘違い
「ちっがぁぁあぁぁぁぁうもぉぉおぉぉぉんんっっ!!!」

畑山は絶叫と共に茨の足を刈り取ると、素早く両足を掴み、重心をやや後ろにして高速回転をした。

ジャイアント・スウィングというやつである。

桜と百合絵は瞬時に起きた事態が理解出来ずに動きが止まる。

畑山の起こしたトルネードは、そのまま回転速度を上げ、大規模な人工災害に発展しようとしていた。

「ちがうったら、ちがうったら、ちがうんだもぉぉおぉぉぉんんっ!!」
「ひゃああぁぁあぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁ……」

そして、畑山が一二の三で手を離した瞬間、茨は高く、高ーく上空に舞い上がった。

「あ」
「あ」
「へ?」

桜と百合絵の二人が洩らした言葉と同時に、我に返る畑山。

茨はそのまま──。

「へろへろぱ~~」

三半規菅を乱された状態で、プールに叩きつけられた。
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