ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜3
「本番では大量のカレーライスを作るので、このお肉も前日までに煮込んでおくといいですね」

「保冷に使う青の魔石は、たくさん手配してありますからね」

 王妃が言ったので、エリナは「ありがとうございます」と頭を下げた。

 あらかじめ土台となるスープが作ってあるし、肉も柔らかく煮込まれている。というわけで、さほど時間をかけずにカレーライスができた。とはいえ、とろけるように柔らかくなったイノブタ肉は、旨みが詰まった素晴らしい美味しさだし、そこにキノコと小麦粉とカレー粉を炒めて作った香り高いカレールーを加えて煮込んだら、重厚なカレーができあがった。

「たっぷりと使った赤ワインは材料がブドウなので、野性味あるイノブタのお肉とぴったり馴染んで良い味を引き出してくれるんですよ。良い香りの様々なハーブと、キノコの美味しさが組み合わさって、マーレン国の特産品を生かしたカレーライスに仕上がっています」

「うむ、ワインもハーブも、マーレン国産の良いものだから、料理に使ってもらえて嬉しいぞ」

 ウィリオ王子は満足そうだ。

「うわあ、いい匂いだね! みんなはどうしてそんなに冷静なのかな? わたしは早く食べたくて仕方がないんだけど!」

 大人げないセラがそわそわしているので、エリナは「はい、お待たせしました。お皿によそって試食しましょうね」と笑った。
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