ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜3
 ちなみに、会場関係は諜報部員のうさぎのジャンが担当していて、こうしている間にも的確な指示を出し、てきぱきと準備をして評価を上げていた。今はカレーライスの販売を待つ人々を会場の入り口で列に並ばせている。エリナのアドバイスを取り入れて、きちんと張られた細いロープで順路がわかりやすくなっているため、順番待ちのトラブルも起こりにくくなっている。

 エリナが彼の姿を目で追うと、さすがは現役の諜報部員だけあって視線に気づき、「あ、エリナちゃーん、こっちは大丈夫だよ」と白くて長い耳を揺らしながらその場で高くジャンプして手を振った。

「はい、ありがとうございます」

 ルディに抱っこをされたエリナは、うさぎの青年に手を振った。

「俺までが、母上が特注したこの白い隊服を着せられているのはなぜなのかと少々納得いかないんだが……まあ、祭りを盛り上げるためならやぶさかではない」

「ふふっ、カッコよくてとてもお似合いだと思いますよ、ルディさん」

「そうか」

 ルディは口元の笑いを隠しながら、空に浮かぶもこもこした雲を眺めた。
 実は内心では(エリナとペアルックか。母上はなかなか良い仕事をしてくれる)と喜んでいるのだ。

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