ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜3
 そして、顔から火を吹きそうなくらいに真っ赤になったフェアも、クー・シーの言葉でさらに動揺した。

「ち、違うわ、やめてよクーちゃん! ルディさんはそんな、そういうんじゃなくって、その、親切な警備隊長さんの任務とか心構えについて話しただけで、別に変な意味とかないと思うし、ええと、ええと」

 しかし、悪気はないがおっちょこちょいな子犬は、その場を穏便におさめようとするフェアの心中に気がつかない。
 無邪気にこてんと首を傾げて「くーん?」と鳴いた。

「ええー、そうかなあ? フェアの笑顔を守りたいっていう言葉ってすごーくヒーローっぽくていいし、そうだ、なんだかプロポーズっぽくない?」

「え、プロ、プロポ……」

「プロポーズ……だと?」

「うん、プロポーズの言葉だね!」

 フェアが絶句し、ルディの体毛がぶわっと逆立った。
 ふたりは顔を見合わせ、心の中で(プロポーズぅぅぅぅぅ⁉︎)とありえない言葉を響かせて、再び氷の彫像と化した。

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