ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜3
「まあ、それはともかくとして」

 フォーチュナは、真面目な表情になってクー・シーに言った。

「エリナはどうやら、自分の幸運を元にして他人を幸せにしている……与えるのではなくて、幸運を増幅する力が備わっているようようなのよ。だから、あの子が関わると、周りの人々が幸せになっていくの」

「幸運を増幅?」 

「そう。積み重ねた薪に点火をする小さな火……そんな感じかしら。しかも、1時間で燃え尽きるはずの幸運の火が延々と燃え続けるのよ」

 クー・シーは驚いて、その場で飛び上がった。

「それってめっちゃすごいことだよ?」

「ええ。あれは単なる妖精の力ではないわね……わたくしは思うのだけれど、幸運を搾取するという辛い人生に耐えて、優しさを失わないでいたエリナは『幸運を司る妖精』となったのかもしれない」

「ひゃあ、すごいすごい!」

 クー・シーはぴょんぴょん飛びながら「エリナは可愛くていい子だから、幸運の妖精にぴったり! ついでに、そのきっかけを造ったのは僕だから、僕もすごい!」と、相変わらずのお調子者発言をした。

「あなたって子は……まあ、いいわ。お気楽でポジティブなクー・シーは、確かにエリナに良い影響を与えているみたいですものね」

「わあい」

 喜んだクー・シーはフォーチュナの胸に飛び込んで、耳の後ろをかいてもらいながら満足そうに尻尾を振るのであった。
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