ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜3
 広場では、昼間からたくさんの人が集まって祭りの踊りを楽しんでいる。エリナとルディも、端の方で両手を繋いでステップを踏んだ。
 子猫の歩幅はとても小さいので、少し腰を屈めながら踊るルディはその場で足踏みをしているようになったが、一人前の顔で踊る子猫の可愛らしさに自然と口元が緩んでしまう。

 今や王都のアイドルである可愛い子猫と、その溺愛ぶりがみんなに知られている頼りになるイケメン隊長は、ふたりとも大変な人気者であったので、自然と踊りの輪の中央へと場所を譲られていく。

「隊長さん、カッコいいよ!」

「可愛いエリナちゃんと踊れるなんて果報者だなあ」

「隊長さんだから許すんだぞ!」

 お祭りの最中ということもあって、気やすい声がルディにかけられる。
 ルディは「ふふん」といたずらっぽい顔をすると、エリナを持ち上げてくるりと回し、人々を沸かせた。

「エリナちゃん、上手上手」

「ちょこちょこしたステップが可愛いねえ」

「踊って喉が乾いたろう。これをお飲みよ、爽やかな果実水だよ」

「この串焼き肉は美味しいぞ」

「小さな子猫はクリームつきクッキーをおやつに食べるもんだよ」

「棒付き飴をお食べよ」

「カステラを食べて大きくおなり」

 というわけで、ダンスが終わったエリナの両手には、おやつの山ができていた。

「うにゃあ、美味しそう!」

 大喜びの子猫は、乾いた喉を潤すと美味しいおやつをたくさん食べたのであった。
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