ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜3
 さて、ひとりになったルディが悶々としている間に、フェアこと白猫姿のエリナはクー・シーを抱えたまま青弓亭のニ階にある窓にたどり着き、自分のために用意された部屋に飛び込んだ。

「ふにゃああん、驚いた!」

 クー・シーが気を利かせて妖精の粉を多めに振り撒いていたので、ふたりのたてる物音は誰の耳にも聞こえない。

 エリナは妖精獣の姿のままベッドに倒れ込んだ。
 そして、クー・シーの白いお腹に顔を埋めて、思いきりモフモフモフモフッと顔を擦りつけて心を落ち着かせた。
 真のモフモフスキーにとって、モフッとした毛並みは精神安定剤と同じ効果があるのだ。

「ひゃはははは、エリナ、くすぐったい、くすぐったいよお」

 クー・シーは、困り半分嬉しさ半分と言った声で、エリナに抗議した。

「どうしたの? 最後に全力疾走したら息があがっちゃったの? 今のはとってもいい走りだったよ、ナイスエリナ!」

「……もうもうっ、乙女心をまったくわかってないんだから」

 クー・シーに『ナイス』をもらってしまったエリナは、もう一度モフッと顔を埋めて「もうううー」と言った。

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