ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜3
カレーライス祭り
「と、いうわけで。今年の『王都花祭り』では『カレーライスお国自慢』という特別なイベントをとり行い、わたくしたちスカイヴェン国王家が後援をしたいと思います!」

 青弓亭の定休日に合わせて開かれた会議で、サランティーナ王妃が高らかに宣言した。
 王宮の一室に集められた『実行委員会』のメンバーから拍手が起こる。

 ルディがウィリオ王子とルールーの望みを王族たちに告げたら、案の定、話が盛り上がってしまったのだ。
 その結果がこれである。

 さっそく結成された『カレーライスお国の味自慢実行委員会』のメンバーは、エリナにミメット、ウィリオ王子に人魚のルールー、侍従のセラとイーシー、スカイヴェン王宮料理長のリックル(彼は狐の獣人だ)、そしてなぜか委員長にはサランティーナ王妃。それに、うさぎの連絡員(というか、王家直属の諜報員)の若者ジャンである。彼は会場の設営などを手配してくれるのだ。
 ちなみに、味見隊長という重要な役割のルディは警備の仕事があるので、残念ながら本日は欠席である。

「すみません、最初に言っておきたいのですが」

 エリナが小さな手を挙げながら言った。

「わたしはすでに、王都の仲間と一緒に『ホットドッグ』という料理で屋台を出す約束をしているんです。そこで、カレーライスに関してはもちろんわたしが監修させていただきますが、実際の調理は王宮の厨房の皆さんと、マーレン国、フィフィール国の皆さんに行っていただき、レシピをご自分のものにしていただきたいのです。そうすれば、ウィリオ王子もルールーさんも、故郷に戻ってから料理を広めることができるし、スカイヴェン国王宮のレシピにオリジナルのカレーライスが加わって、他国からのお客さまに振る舞うこともできます」
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