ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜3
「なるほど、他に約束があったのか」

 美少年王子が言った。

「心得た。ならば国の代表としてわたしがこの身体にしっかりとレシピを刻み込み、無事にマーレン国へと持ち帰らせていただこう」

「わたしも! レシピを完全に自分のものにして、フィフィール国やその付近の国々に海の幸のカレーライスを伝えるわ!」

 ウィリオ王子とルールーが決意を瞳の中に光らせながら言った。だが、サランティーナ王妃はなにやら考えている。

「エリナは本当にそれでいいのかしら。監修ということは、裏方に回ってしまうのよ? あなたのお手柄を譲ってしまうことになるのよ?」

「わたしのお手柄、ですか?」

「そうよ。カレーライスのレシピを考えるのはエリナだし、あなたなしではこの企画を行うことはできないでしょ?」
 
 エリナはこてんと首を倒した。そのあどけない仕草が可愛くて、従者のセラは思わず「むふん」と言いそうになり、慌てて口元を押さえた。
 どうやら彼は、子猫に首ったけになってしまったようである。今日もエリナを高い高いしたくて、鋭い視線で隙を窺い、諜報部員のうさぎのジャンに目をつけられていた。

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