ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜3
「ミメットさんの考え方は、とても素晴らしいと思うわ。わたくしもその案に賛成します」

 サランティーナ王妃はそう言って頷くと、ウィリオ王子とルールーの顔を見た。ふたりは、一人前に扱ってもらって大仕事を任された喜びと緊張で、キリッとした良い顔をしていた。
 そして、エリナはと見ると、彼女は俯いて拳を握り「んっ」と小さな気合を入れてから顔を上げて大きな声で言った。

「まだ若輩者であるわたしたちに貴重な機会をお与えくださいまして、ありがとうございます。三つの国の名を背負ったこの企画は大変重要だということを心底感じています。国家間の外交及び物産の流通、さらに文化交流を促進するカレーライス企画の成功に、全力で取り組ませていただきたいと思います!」

 よく通る子猫の声が会議室に響き渡り、そして……居並ぶ者たちは(エリナが立派すぎる……)と絶句した。

(これが、まだ幼い子猫の発言、だと?)

 料理長のリックルは目を丸くした。

(一人前の料理人として働き、様々な珍しく、そして素晴らしく美味しい料理を考えつく天才だとは思っていたが、他の考え方まで大人顔負けのレベルではないか! エリナはいったい何者なのだ……)

 マーレン国のセラも目を細める。

(どうやらこの可愛い子猫ちゃんは、見た目通りの人物ではなさそうだな。ふふん、うちの殿下がこの子と仲良くなったのは、もしかすると大金星かもしれないね。でかしたぞお坊ちゃん王子! ついでに子猫ちゃんをお嫁さんにしちゃえ!)

 かなり調子の良い従者であった。
< 83 / 235 >

この作品をシェア

pagetop