冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~

プロローグ

春麗らかな今日のこの良き日。

私結婚します。

よく知らないどころか今日で会うのは2回目の彼の元へ、知らない父親役の人と歩みを進めていく。

外国人の神父様と旦那様の待つ祭壇を見ると、笑顔でこちらを見つめる彼の姿…。

よく覚えてもいないけど多分あの人が旦那さんになる人だった気がする。

はぁ…私の人生どうなっちゃうんだろう。

そうは思うけれど…

私は笑顔で父親役と腕を組み、彼の元へ1歩ずつ進んでいく。

祭壇の前まで進むと父親役は旦那様に頭を下げ、私の手を旦那様の元へ渡した。

旦那様も頭を下げ、私の手を取り、自分の腕に組ませる。

神父様のお祈りが始まる。

『 響、あなたはを玲奈を妻とし、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、妻を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?』

「はい、誓います。」

『玲奈、あなたは響を夫とし、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、夫を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?』

「はい、誓います。」

『では誓いのキスを…』

まさか…

ナイナイナイ…!
それはナイ!

目がキョロキョロと動き出してしまう覚悟の決まらない私。

無理よ…

彼の顔が近づいてきた…

拒否権のない私は固まってしまう。

もう覚悟を決めないといけないのか、と目を閉じた。

だが、私の予想に反し唇ではなく頬にキスが落とされた。

『Congratulations!Mr &Mrs Yumikawa.』
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