冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~
契約…?

なんの?


彼は良いことを閃いたと言わんばかりに私に話しかけてくる。

「俺は2ヶ月後に結婚しなければならない。だが…訳あって相手を探している。君がなってくれるのなら1年の契約結婚で1000万払おう。妻役をしてくれたらいい。家事一切しなくていい。対外的に妻を演じてもらうだけだ。ただ、俺の妻となる限り仕事は辞めてもらいたい。その謝礼として1年後さらに500万払おう。」

「えぇ?!」

「悪い話ではないと思う。」

「…」

「俺が怪しいか??」

彼はそう良い名刺を渡してきた。

『弓川コーポレーション 副社長 弓川 響』

知ってますとも!
弓川コーポレーション!
大手ではないか。
総合商社として名前を知らないものはいないのでは?というくらいの大手。

私はあわあわしてしまう。

彼の提案も意味がわからない。

そんな良い条件聞いたこともない。

でも…私の戸籍に傷がつくってこと?

でも……それで1000万の借金から救済されるの?

私には返済方法さえわからない多額すぎる借金。

戸籍が傷つくなんて、そんなこと言ってられないわ。

今時バツイチくらいよくある話よ。

そもそも悠真に裏切られた今、私は結婚から果てしなく遠のいた。

返って一度くらいバツがついてる方がハクがつくかもしれない。

「やります!!!」

< 10 / 205 >

この作品をシェア

pagetop