冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~
最近週末になると土日どちらか、必ず響さんに外食に連れ出される。

時にはショッピングをしたり、映画を見てから食事にいくこともある。

この姿を誰かに見せつけたいからなのかよく分からない。
誰に対するアピールのために毎週こうして出かけているのだろう。

私は響さんと出かけられるのは正直楽しい。
けどこれが仮の姿で、あと数ヶ月で終わると思うと慣れてはいけないと思わざるを得ない。

離婚した後どうしたらいいかわからなくなるから…。

響さんは相変わらず腰を抱いてきたり、肩を寄せてきたりする。

響さんを見上げるといつも優しい笑顔が私を見つめ返してくれる。

響さんに惚れない人なんていないんじゃないのかな…。

響さんを身近に感じるようになったけど、でも前よりも遠い人に思う。

それは響さんは優しい。
けど私にはそれ以外の姿を決して見せてくれないからだと思う。

いつも一緒にいると楽しいし優しい。
けど疲れてる顔もイライラしてる顔も、何も見せない。

笑顔だけを私に見せる。

ねぇ、疲れない?
家に帰ってからも私に気を遣って笑うの疲れるよね?
米山さんみたいに言いたいこと言えてないよね?
確かに契約妻だけど、少しくらい愚痴ってくれたらいいのに。
私にも遠慮せずに言いたいこと言ってくれたらいいのに…。

もっと響さんを身近に感じたいのに…。
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