冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~

年末

年の瀬に入り響さんは忘年会が続いていた。
毎晩のように遅く帰ってきており顔に疲れが出ていた。

朝から働き詰めの毎日に加えお酒の席まで増えて副社長は大変な仕事だと言うことを改めて感じる。

副社長として精力的に動き回っており響さんのやる気を感じる。

もともとお兄さんのサポートに回るはずだったと言っていたが私は響さんはサポートでなく前に出る人だと思った。
時折かかってくる電話を耳にするたびそう思った。

人当たりがよく、気が付き、まわりがよくみえている。
冷静に物事を捉えられ、それを人に言うのが上手。
言うべきことはきちんと言うが、それだけでなく後のフォローやアドバイスも的確。

こんな人の下で働けたら自分も成長させてもらえるのではないかと思ってしまう。

でもこんなことしてたら疲れるだろうな。
前にあげたマッサージを使う姿を見かけるようになった。

私は飲んで帰ってくるのを待つようになった。
帰ってきたら温かいお茶を入れてあげるのが決まりのようになった。

お風呂に入りお茶を飲んで寝るのがルーティンとなっていた。

「玲奈、正月なんだけど…悪いけどうちの実家の集まりに行かなきゃならないんだ。お願いできるか?」

「もちろんです。お仕事ですから。でもどんな感じでしょうか?」

「うちで親戚が集まるんだ。20人はいるな…。兄貴が亡くなったから喪中だし派手なことはない。ただ、俺が代わりに副社長になったことを面白く思わない人もいるから…何か言われるかもしれない。」

「大丈夫ですよ。多少のことでは動じなくなりましたから。この1年で強くなりましたから。」

「頼もしいな。けど、困ったら俺に言ってくれ。出来れば離れないでそばにいるんだ。」

「わかりました。」

年末ギリギリまで忘年会に追われていた響さん。31日になりやっと休みに入った。
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