冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~
車に乗り込み銀座へ向かう。

「そういえば玲奈の親は正月に帰ってこいと言わないの?」

「…実はメールが来ました。でも今年は友人と旅行に行くので行かないと返しました。なので大丈夫です。」

「ごめんな、嘘つかせて。嘘だらけだよな。」

「いいんです。私が決めたことですから。」

「でも何かあれば言えよ。俺にできることがあるかもしれないから。」

「ありがとうございます。」

そんな話をしていたらあっという間に銀座についた。

年末ギリギリなのにとても混んでいる。
私たちは食品売り場へ向かい目当てのお店へ進むが何せ人が多い。
気がつくと響さんに手を握られていた。
響さんが盾となり私を後ろに回し人混みから避けるようにしてくれる。
響さんのおかげで歩きやすい。
手を繋がれ、こうして私を守ってくれてときめかない人なんているのだろうか…。
私の胸はギュッと締め付けられる。
どうしてこんなことしてくれるの?
こんなこと悠真もしてくれなかった。
悠真は優しかった…けど借金を私になすりつけていった。悠真の優しさってなんだったんだろう。
私は何を見ていたんだろう。
悠真のこと何も分かっていなかった。
今も響さんのことは何も分かっていない。
けど…響さんに大事にされてるのではないか、と思ってしまう自分がいて怖い。

また裏切られるのは嫌。
契約なのに本気になったの?と言われるのが怖い。
離れられなくなるのが怖い。
この手を離したくなくなる自分が怖い。

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