冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~
響さんに連れられウサギ屋の前に着いた。
ウサギ屋はさすが人気店。
長蛇の列になっている。
響さんを並ばせるわけには行かない。

「響さん。とても混んでいるのでどこかで待っててください。買い終わったら連絡しますから。」

「俺も並ぶよ。大丈夫。」

「え?だいぶ待つことになりますよ。」

「平気だよ。」

「本当に?」

「本当だよ。俺そんなに足腰弱そうなおぼっちゃまに見える?」

「見えませんけどお疲れかな、と思って。」

「よく寝たから平気。玲奈だって1人で並ぶのはつまらないだろ。」

「慣れてますから。」

「そういえばさ、玲奈は明日何着てくの?」
話が変わり響さんにそう尋ねられた。

「ワンピースで行こうかなと思ってます。」

「もう買ったの?」

「いえ、この前の紺色にしようかと思って。あれなら落ち着いているのでどんな方に会っても失礼がないかな、と。」

「お嬢様テイストのやつだよね。玲奈があれ着るとお嬢様に見えるよね。」

「服に着られてて申し訳ないです。けど服に着られてないと私自身こんななのでちょうどいいんです。」

「お嬢様テイスト似合うよ。でもさ、明日は明るい色で行こうよ。後で上の階で買おう。選んであげるよ。」

「いいです。地味でいいんです。目立たないくらいが私には似合うので。」

「そんなことないよ。可愛い色で行ったらいいよ。自慢の妻ですと言おう。」

「喪中だし紺でいいです。派手な色だと目をつけられちゃうので。」

「そっか。そこまで考えてくれてるのか。でも、服は買いに行こう!」

「いいです!買わなくていいです。」

「ダメ。俺が買ってあげたくなったから。」

急にこんなこと言ってきてドキドキしちゃう。
今日はどうしてこんなに甘やかすのだろう。
繋いだ手から私の鼓動の速さが伝わりませんように…。
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