冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~
やっと順番になり私たちは日持ちのするものを8つ購入した。
熨斗はかけず手提げだけ入れてもらった。

意外と和菓子は重く、響さんに持ってもらうのが申し訳ないが響さんは片手でひょいと持ち、もう片手は私とまた繋ぐ。

「次はどこ?」

「天秤堂です。私はあそこのバームクーヘンが大好きなんです。」

「どこかな?」

「左の方です。」

2人で天秤堂へ向かうとやっぱり並んでいる。
でも回転が良くあっという間に順番になった。

ご両親へと米山さんの分を頼んでいると横から「自宅用でこれも」と大きなバームクーヘンを注文してくれた。

高いから滅多に買わない。なので今日もお土産の分しか注文しないつもりだった。
さっき私が大好きだと言ったから響さんが買ってくれたのだろう。
小さな声で「ありがとうございます」というと笑って、「俺にも食べさせてよ」という。

もちろんですよ。
最高に美味しいバームクーヘンですもの。
あとで紅茶と一緒に食べたいな。

このバームクーヘンならブレストレットで持ち歩きたいくらい好きなんです、と話すと大笑いしていた。
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