冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~
家へ帰ると夕飯の準備に取り掛かった。

昼にうっかりうどんを食べてしまったので年越し蕎麦を食べる気にもならない。

私の家は年越しはすき焼きをするのが恒例。
みんなでわいわいと鍋を囲みながら紅白を観る。

本当の家族でない響さんと鍋を囲むことを悩んでいたが、その話をすると響さんにすき焼きにして欲しいと言われて嬉しくなった。

すき焼きなら、と響さんも野菜を切るのを手伝ってくれた。

2人でキッチンに立つと本当の夫婦のようでこそばゆい。

ひとまず準備が終わったところでお互いお風呂に入り、紅白を見ながらすき焼きを食べれるように支度した。

ビールを出してきた響さん。
2人で乾杯し、すき焼きを始めた。
今日はテレビが見れるように向かい合わせではなく隣同士で食べる。

今日手を繋いで買い物をしたし、この2人の距離感にドキドキしてしまう自分が恥ずかしい。

響さんはなんとも思っていないことはわかってる。
私がこんなふうに思ってるって気付かれないようにしなきゃ。
気付かれたらきっと響さんは困ってしまう。
今のこの心地いい距離感をあと4ヵ月過ごしたいから私の気持ちに気がつかないで。
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