冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~
2人ですき焼きをして、ビールを飲みながら紅白を見た。
まるで家族みたい。

「なぁ、玲奈。今から近くの神社に初詣いかない?」

「行きたいです!」

紅白が終わったところで言われた響さんからの提案。

「あったかい格好しろよ。」

「はい!」

私たちはパジャマから着替え、コートを羽織り、マフラーをして出かける準備をした。

マンションを出ると大晦日だからかまだたくさんの人が出ている。
みんな近くの神社に向かうのか同じ方向に進む人が多い。

私の手を取りすっと自分のコートのポケットへ入れてくれる。

あぁ、どうしてこういうことがさりげなくできてしまうんだろう。

だいぶ待ったがやっと順番が来た。
お賽銭を入れ私たちは手を合わせた。

『神様、どうか残りの4ヵ月楽しく過ごせますように。響さんと良好な関係が続きますように。』

私は今のままの関係でいい。
離婚するまでのあと4ヵ月、響さんと楽しく暮らしたいだけが願いなの。
それ以上は期待していない。
期待するなんておこがましいこと。

帰りも手を繋いで帰った。
早速願いが叶ったかのようで私の心が温かくなった。
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