冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~
車がとうとう実家の門をくぐってしまった…。
ていうか門をくぐったあとにまだ車が走れるって普通じゃないよね。
普通は道路沿いに駐車場があるものよ。
門を抜けてまた車が走るって…
「凄いですね。」
「郊外でのんびり過ごしたいって言ってここを買ったんだ。だから確かに敷地は広いな。でも一等地じゃないから値段もそんなにはしないかな。」
「いやいや、東京でこんなに広いのはさすがです。郊外といっても都心まで車で1時間弱ですよね。さすが弓川コーポレーションです。圧巻です…。」
「そんなことないって…。ただ広いだけなんだから。さて、みんなも到着し始めてるみたいだな。行こうか。」
確かに私でもわかる有名な車種が数台止まっている。
はぁ〜…
知らないうちにため息まで出てしまう。
「玲奈。大丈夫。俺がいるから。」
響さんに腰を支えられながら手土産を持ち家へと進む。
玄関を開けると家政婦さんが出てきた。
「響さん、ご無沙汰してます。皆さんだいぶお集まりですよ。」
「幸(さち)さん、妻の玲奈です。よろしく。」
「私、家政婦の田辺幸と申します。よろしくお願い致します。」
「妻の玲奈です。よろしくお願い致します。」
響さんに先導され広間へ向かった。
20畳は悠にありそうな大広間で机の上にはお料理が所狭しと並べられていた。
上座にはご両親が座っており、周りには結婚式でもお見かけしたような気がする方々がいた。
2人で上座のご両親の元へと向かう。
「社長、母さん。あけましておめでとうございます。」
「お父様、お母様、あけましておめでとうございます。ご無沙汰しており申し訳ございません。」
2人で挨拶に行くが返された返事は「あぁ。」だけだった。
「ご挨拶の品です。お口に合うかわかりませんがお納めください。」
お母様は品物を受け取り、話したそうなそぶりでこちらを見てきたがお父様の手前なのか声をかけてきてくれなかった。
響さんは隣にいる方にも挨拶をする。
「孝成おじさん、あけましておめでとうございます。」
「あぁ、おめでとう。」
「妻からの心ばかりの品です。少しですが、おじさんの口にあうといいのですが…。」
「ありがとう。」
その後も同じように周りの方々に挨拶をして回った。
最後に私を連れて部屋を出た。
奥にある部屋に向かうと、
「玲奈、ここに兄貴の仏壇があるんだ。」
といい部屋へ入る。
仏壇に飾られたお兄さんの笑顔の写真。
とても若く、はつらつとしたかんじの爽やかな人に見える。
響さんとあまり似ていないように思うが、目元だけはそっくりだった。
2人でお線香を備え手を合わせた。
響さんはポケットからお菓子を取り出し仏壇に備えた。
コンビニで売っているような安いチョコレート。
「昔から兄貴はこれが好きでさ。俺ら子供の頃からよく食べてたんだよ。大人になっても山に行く度に持っていってた。高カロリーだしチョコは山に向いてるんだよ。」
「うん。」
「あの日も持っていってたのかなぁ。食べたのかなぁ。」
「うん。」
「俺が兄貴にしてあげられることはもう何もないんだよな。」
「そんなこと…。お兄さんが聞いたら悲しみますよ。お兄さんの分まで頑張らないと。」
「うん。」
「玲奈、一緒に食べてくれない?」
「はい。」
「兄貴の分まで代わりに食べてやろう。」
「そうですね。で、また持ってきてあげましょう。ここでまたお兄さんの分まで食べられたらいいですね。」
「ありがとう。」
私たちはパッケージを開け一粒ずつ口に入れた。
響さんの目元が光ったように見えたので私は視線を外した。
ていうか門をくぐったあとにまだ車が走れるって普通じゃないよね。
普通は道路沿いに駐車場があるものよ。
門を抜けてまた車が走るって…
「凄いですね。」
「郊外でのんびり過ごしたいって言ってここを買ったんだ。だから確かに敷地は広いな。でも一等地じゃないから値段もそんなにはしないかな。」
「いやいや、東京でこんなに広いのはさすがです。郊外といっても都心まで車で1時間弱ですよね。さすが弓川コーポレーションです。圧巻です…。」
「そんなことないって…。ただ広いだけなんだから。さて、みんなも到着し始めてるみたいだな。行こうか。」
確かに私でもわかる有名な車種が数台止まっている。
はぁ〜…
知らないうちにため息まで出てしまう。
「玲奈。大丈夫。俺がいるから。」
響さんに腰を支えられながら手土産を持ち家へと進む。
玄関を開けると家政婦さんが出てきた。
「響さん、ご無沙汰してます。皆さんだいぶお集まりですよ。」
「幸(さち)さん、妻の玲奈です。よろしく。」
「私、家政婦の田辺幸と申します。よろしくお願い致します。」
「妻の玲奈です。よろしくお願い致します。」
響さんに先導され広間へ向かった。
20畳は悠にありそうな大広間で机の上にはお料理が所狭しと並べられていた。
上座にはご両親が座っており、周りには結婚式でもお見かけしたような気がする方々がいた。
2人で上座のご両親の元へと向かう。
「社長、母さん。あけましておめでとうございます。」
「お父様、お母様、あけましておめでとうございます。ご無沙汰しており申し訳ございません。」
2人で挨拶に行くが返された返事は「あぁ。」だけだった。
「ご挨拶の品です。お口に合うかわかりませんがお納めください。」
お母様は品物を受け取り、話したそうなそぶりでこちらを見てきたがお父様の手前なのか声をかけてきてくれなかった。
響さんは隣にいる方にも挨拶をする。
「孝成おじさん、あけましておめでとうございます。」
「あぁ、おめでとう。」
「妻からの心ばかりの品です。少しですが、おじさんの口にあうといいのですが…。」
「ありがとう。」
その後も同じように周りの方々に挨拶をして回った。
最後に私を連れて部屋を出た。
奥にある部屋に向かうと、
「玲奈、ここに兄貴の仏壇があるんだ。」
といい部屋へ入る。
仏壇に飾られたお兄さんの笑顔の写真。
とても若く、はつらつとしたかんじの爽やかな人に見える。
響さんとあまり似ていないように思うが、目元だけはそっくりだった。
2人でお線香を備え手を合わせた。
響さんはポケットからお菓子を取り出し仏壇に備えた。
コンビニで売っているような安いチョコレート。
「昔から兄貴はこれが好きでさ。俺ら子供の頃からよく食べてたんだよ。大人になっても山に行く度に持っていってた。高カロリーだしチョコは山に向いてるんだよ。」
「うん。」
「あの日も持っていってたのかなぁ。食べたのかなぁ。」
「うん。」
「俺が兄貴にしてあげられることはもう何もないんだよな。」
「そんなこと…。お兄さんが聞いたら悲しみますよ。お兄さんの分まで頑張らないと。」
「うん。」
「玲奈、一緒に食べてくれない?」
「はい。」
「兄貴の分まで代わりに食べてやろう。」
「そうですね。で、また持ってきてあげましょう。ここでまたお兄さんの分まで食べられたらいいですね。」
「ありがとう。」
私たちはパッケージを開け一粒ずつ口に入れた。
響さんの目元が光ったように見えたので私は視線を外した。