冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~
またホールへ戻ると皆さん勢揃いされたようだ。

本来なら響さんは弓川家の息子であり、副社長。時期社長になるべき人のはず。
それなのに私たちに用意されたのは下座だった。
私たちは着席し、社長の挨拶を傾聴した。

「昨年は息子が亡くなり、我が家も大きな打撃を受けた。みんなのおかげでなんとか持ち直してきた。みんなには礼を言う。ありがとう。今年は息子を亡くしたことをバネにしてさらなる発展を目指していきたいと思う。みんなには何かと負担をかけることもあるかと思うがよろしく頼む。申し訳ないが今年だけは乾杯は遠慮させてくれ。」

「兄さん、献盃にしましょう。今年は誠への献盃をしましょう。誠に見守ってもらえるように…。」

「ありがとう。」

おじさんが音頭を取り献盃の盃をあげた。


< 115 / 205 >

この作品をシェア

pagetop