冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~
私は米山さんに付き添われ近くにある総合病院へと搬送された。

救急外来で診察や点滴を受けそのまま入院となった。
夕方になりようやく私はようやく目を覚ました。
ベッドサイドには米山さんが座っており、
「あれ…私どうしたんだっけ…?」
と呟くようにいうと、
「目が覚めましたか?玲奈さんは会社で倒れたんです。私の目の前で倒れて意識がなくて…。救急車でここに運ばれました。過労と栄養不足だそうです。」

「そうですか…。お手数をおかけしてすみませんでした。」

「過労って…そんなに家事が大変ですか?弓川コーポレーションの妻が過労…どういうことですか。しかも栄養不足。」

「すみません。弓川コーポレーションの名前を落とすつもりは無いんです。今後気をつけます。」

「どうして過労ですか?ご飯は食べてないんですか??」

「すみません。今後気をつけます。」

「ですから、理由は??」

「特にありません…今後気をつけます。」

はぁ〜、と米山さんは盛大なため息をつく。
聞きたいことはわかっているが理由は言えない。

「あ!!!響さんの書類!」

「大丈夫です。私が副社長の手に渡るよう手配しましたから。」

「響さんも私がここにいると知ってるんですか?」

「もちろんです。すぐに駆けつけると言っていたのをお止めしてランチミーティングや会議に行ってもらいました。」

「よかった〜、響さんのお役に立てて…。」

「倒れるなんて妻失格です。しかも会社のエントランスだなんて外聞が悪い。」

「すみませんでした。」

「今日のところはここで休んでください。明日念のため頭の検査をします。私が見る限りバン、と倒れたので頭を打っているように見えましたから。」

「わかりました。」

「またお休みください。私も失礼します。」

「お世話になりました。ありがとうございました。」
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