冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~
翌朝気がつくとベッドの中にいた。

あれ?

あれ??


なんだか背中が温かい。
しかも腰からお腹にかけて重たい。

ん?


うわぁ!!!

叫び声が音にならなかったが私は無言で驚いた。

何故かベッドで響さんに抱きしめられている。
私の腰に手を回しガッチリとホールドされており、耳元ではスースー寝息が聞こえてくる。

なんでこんなことに??

なんでこんなに密着してるの?

っていうか、どうしよう。
身動きを取れず私は固まったままどれだけ過ごしたのだろう…。

「ん…」
と響さんが動き出す。
私の背中で伸びをしているように思う。

よし、寝たふりだ。

私はリアクションに困り慌てて寝たふりをした。

すると、
「玲奈、おはよう。」
と言われる。

気付かれた?!

「お、おはようございます…。」

「よく寝たなぁ。」

「そ、そうですね。」

「昨日ソファで寝ちゃったからベットに運んだんだけど俺も眠くなっちゃってついそのまま入り込んじゃったよ。」

「そ、そうだったんですね。ご面倒をおかけしました。」

そういい私はベッドから出ようとすると、引き戻され腕を回され抱きしめられる。

「こうしてるとなんか新婚って感じじゃない?」
と言われる。

私は真っ赤になっていることを自覚しているが何も言えない。

腕の力は強く弱まる様子はない。

「や、やだ。そんな冗談言って…。」

「……冗談じゃないよ。俺らの新婚旅行だろ。」

「そうですけど…、そうじゃないです。」

「本当にしようって言ったらどう?」

「……できない…です。私は響さんに釣り合う人間ではないですよ。近くにいすぎて情がうつりました?」

「そうじゃない。」

「さぁ、今日はどこに連れて行ってくれますか?楽しみです。顔洗ってきまーす。」

私はさっと響さんの腕から抜け出し洗面所へ向かった。
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