冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~
私たちは街へ出かけブランチをとり、美術館を見た後、街を散策したりショッピングをしたりした。

かわいい雑貨を見つけお土産に購入した。
オリーブが有名なスペイン。
オリーブの入ったリップやお菓子などを千波にあげたいと思い、うちで使う分と一緒に買った。
少ししか買わない私に響さんはもっと買ったらいいのに、と言うが必要な分だけで十分。
そういえば千波には結婚をいえていない。
お土産を渡す時に言えたらいいなぁ。
そう思うとなんだか楽しみなようで恥ずかしいような気がして胸が温かくなった。

もう隠さなくていいんだよね??

両親にも言っていいの?

「玲奈、何考えてるの?」

「えっと…もう両親には話していいのかな、なんてふと思ってしまいました。でも今さら半年以上前に結婚してましたなんて言えないな…なんて思ったり。」

「そうか。ご両親には帰ったら早急に結婚のお許しを頂きに行こう。契約から始まったのではなく、惹かれあったから結婚したいんだとお話ししてもいいか?お許しいただけるように頑張るよ。」

「ありがとうございます。」

「玲奈を頂くために先にしなければならないことなのに順番が逆でごめんな。辛い思いさせてごめんな。」

「ううん。あれがあったから私たちは巡り会えた。お互い知ることができたの。契約妻なんて驚いたけど響さんは嫌なことを何もしてこなかったから安心して過ごせましたよ。こんなにのどかでいいのかと思うくらいに。だから不幸ではなかったですよ。」

「そうか。これからは幸せにするからな。」
そういい、チュッとかすめるようなキスしてきた。

ビックリして赤くなってしまう。

「もう!」

「みんなしてることだよ。」

スペインは情熱の国。
活気にあふれ、陽気で、ロマンチックで…感情表現の豊かな国。

ここにいるときくらい私たちも開放的でいいのかもしれない。

私からも背伸びしてチュッとした。
響さんは驚いたような顔押していたが満面の笑みになった。

こんなことしてても目立たないなんていい国だなぁ、と呟いていた。

私たちは密着しながら街を散策した。

せっかくなので写真も何枚か撮った。
結婚式でさえ写真撮影がなかったから私は響さんとの写真はこれが初めて。

「玲奈、せっかくだから教会でまた誓おうか。」

ふと見ると前に大聖堂があった。

「はい!でも入れるのかしら。」

「とりあえず行ってみようか。」
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