冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~
翌朝、またタクシーで実家へ向かった。

私はもう諦めの境地にいてインターホンを押す気力もない。

帰りたい…

重い足取りで玄関先に向かうが押せない。

響さんが代わりに押してくれた。

ピンポン…

ピンポン…

また居留守だ。
洗濯も干してるし窓も開いている。
もう嫌。
響さんをこんな目に合わせたくない。

「帰りましょう。もう…帰りたい…。」

「そうだな…。」

振り返ったその時、急に目眩がし、気持ち悪いと思った途端、真っ暗になってしまった。

「玲奈!!!」

響さんの声が遠くで聞こえたような気がした…。
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