冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~
「玲奈、実家の前で倒れたからご両親に救急車を呼んでもらったんだ。2人とも慌てて飛び出してきたよ。さっきまで病院にも来ていたんだ。とても心配されてたんだけど先生からの話を一緒に聞き、無事だと確認できたら帰られてしまったんだ。」

「そうですか…。」

「玲奈。ご両親はとても心配されてたよ。本当は顔を見てから帰りたかったに違いない。けど会わずに帰ってしまったよ。俺に2人とも頭だけ下げて帰られたよ。」

「…。」

「玲奈、今移動することは難しい。このまま釧路で入院になるが俺はずっとはいられないんだ。すまない。都合をつけてなるべく来るようにはするが大丈夫か?」

「はい。大人しく寝ています。でも帰るまでは手を握っててもいいですか?」

「玲奈は煽るのが上手だなぁ。本当は手とは言わず、全身可愛がりたいところなのに。」

俺は笑いながら頭を撫で額にキスをした。

「この子は…スペインの時の子なのかな。ハネムーンベイビーっていうやつじゃないか?」

「そうかも、ですね。」

くすぐったい気持ちになり、私たちは笑い合った。
だって私たちあの時に初めて結ばれ、それでこの子を授かるなんて情熱的すぎない?

「よほど玲奈との相性が良かったんだな。」

「ふふ。そうかも、ですね。でも…私たち何回もしちゃったから…。」

「ハネムーンってそういうもんだろ。」

「恥ずかしい…」
布団に隠れる玲奈は可愛らしい。

点滴をしているせいかだいぶ顔色がいい。
表情も柔らかい。

布団を剥ぎ俺は襲いかかるように唇をいただいた。
唇だけでは物足りず舌まで絡ませあったところでノックされた。

ふと我に返りキスをやめると看護師が入ってきた。
「点滴見せてくださいね。血圧も測りますね。」

「お願いします。」

俺は椅子を引き後ろに下がった。
玲奈と目が合いお互い苦笑いをしてしまった。

「ご主人、入院の手続きをお願いします。あと、必要なものはこれです。当分入院になりますので準備をお願いします。大抵のものは売店でも買えますよ。」

「わかりました。ありがとうございます。私は東京に戻るので妻をよろしくお願いします。」

「わかりました。」

看護師が部屋を出て行くと玲奈は申し訳なさそうにしていた。
「入院の準備を響さんにさせるなんて。ごめんなさい。」

「何言ってるんだよ、俺は夫だろ。当たり前のことだよ。さて。ピンクのレースフリフリパンツでも買ってくるよ。いや、セクシー系にしようかなぁ。ピンクのフリフリパジャマは売ってるかなぁ。ネグリジェにしようかなぁ。あぁ、楽しみだなぁ。」

「ひ、響さん!普通でお願いします。とにかく普通です!ネグリジェ着てる患者なんて聞いたことないですから。セクシーなパンツもフリフリパンツも入院患者にはいらないですからね。」

「残念だなぁ。俺が選べるのに。じゃ、退院したら買わせてよ。」

「バカ!」

「ちょっと手続きと一緒に行ってくるな。」
 

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