冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~
コンコン…

響さんがドアを開けるとお父さんとお母さんが立っていた。

「お父さん、お母さん心配かけてごめんなさい。私のわがままで結婚してしまいごめんなさい。」

私は起きあがろうとするが響さんに止められる。

そうだった…動いてはいけないんだった。

「玲奈のことが可愛いから、心配だから、大切だから怒ったの。でも昨日弓川さんからお話を聞いて私達の玲奈を大事にしてくれてるって分かったの。だから…もう勘当なんて言わないから。いつまでも私の娘だからね。」

母は泣きながら話してくるが父は相変わらず無表情。

「調子はどうだ?」
ぶっきらぼうな質問に、
「うん、だいぶいい。」
と答えると、
「そうか」
しか言わない。

「お父さんも認めてるから大丈夫。安心しなさい。今は自分の体と赤ちゃんが優先よ。玲奈、少し見ない間にこんなに痩せて…ごめんね。玲奈に辛い思いをさせて。」

「ううん。」

「良かったな、玲奈。」

「ありがとう、響さん。」

「おい、君は何時の飛行機だ。」

「12時です。」

「そろそろ出ないと間に合わないぞ。」

「あ、そうですね。ではお父さん、お母さんよろしくお願いします。玲奈、身体に気をつけるんだよ。メールするからな。」

俺はそういい玲奈の額にキスをした。

恥ずかしがる玲奈が可愛いと思った…が、ゴホン、と大きな咳払いが聞こえ俺は固まった。

「すみません…」

「空港まで送ろう。あとで母さんは迎えにくるから。」

「ありがとうございます。」
 
玲奈のお父さんの車に乗り込み空港まで送ってもらう。

「昨日は悪かったな。顔にアザが残って…。」

「いえ、これは男の勲章ですから。娘さんをいただく限り甘んじてお受けします。」

「そうか。君も親になれば分かるさ。」

「はい。」

「またゆっくり話そう。」

「ありがとうございます。」

あっという間に空港につき、俺は東京へと戻った。
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