冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~
俺は病院の外へ出て母親に電話をかけた。
母はすぐに出てくれ、
「響どうしたの?珍しいわね。」
と言った。
「今さっき赤ん坊が産まれたんだ。俺、父親になった…。」
「えぇ?!本当?よかったわね。玲奈さんは無事なの?赤ちゃんは元気なの?」
「あぁ、母子共に元気だ。」
「よかったわね…あぁ、あなたが父親になるなんて…。」
母さんの声は少し震えていた。
「喜んでくれるの?」
「もちろんよ!もちろん嬉しいわ。」
「母さんは俺が産まれたときどうだった?」
俺は聞かなくてもいいことまでつい口に出てしまった。
「響を産むときは大変だったわ。陣痛を我慢しながら誠を抱え病院へ向かったわ。響は2人目なのに難産で、心音も下がってしまって緊急で帝王切開になったの。お父さんもおじいちゃんたちもなかなか来ないし誠もいるしどうなることかと思った。でも心音が下がってるのを聞いて背筋が冷えたわ。無事に産声を聞いた時には手が震えたわ。」
「…。そっか…。母さんありがとう。」
「響…。」
「…。」
「私もお父さんもいい親ではなかったわ。仕事が忙しくて何一つあなたのことが分からないんだもの。あなたが何を考え、何を思うのかも分からない。運動会も卒業式も出たことがない。最低だとわかっていたわ。」
俺は声がつまり何も言えなくなった。
「毎日寝顔だけをみていたわ。寝顔じゃあなたのことは何も分からないのに。誠のことも響のことも幸さんに任せっきり。でも2人とも伸び伸び育ってるようで安心してたの。」
「でもね…誠が亡くなってお父さんも私もショックだった。誠が山登りが趣味だと知らなかった。その日も山に行ってたなんて知らなかった。誠は私たちの希望を伝えると応じてくれていたけど本当は何をしたくて、何を考えてるのかも知らなかったんだと思い知らされたわ。誠のこと何も分からなかった。友達の名前さえ知らなかったの。その憤りを響に向けてしまったわ。響にはなんの責任もないのに。」
「…。」
「それなのに響は会社のため誠の分まで背負って頑張ってくれてるのをみて私は思い知らされたの。私は誠を失って何も知らなかったことを反省しているのに何故響を知ろうとしないんだろうって…。響にまた強要するばかりで響のことを何も知らないままでいいのかって。」
「…。」
「結婚をお父さんに強要された時にそれだけは拒否して玲奈さんを連れてきたわね。私たちはあの時それも許せなかったわ。何故私たちのいうことをきかないのか、と思ったわ。でもね、それが間違いだったって今になってやっとわかったの。響にも心があって、私たちの所有物ではないんだと。」
「…。」
「ごめんなさい。響のことを見ようともしないで…。響の声に耳を傾けないで…。お正月に来てくれたのに玲奈さんにも冷たくしたわ。だからもう許してもらえないと思っていたの。それなのに今日電話が来て本当に嬉しかった。もう私から連絡は出来ないと思っていたから、まさか響から電話が来るとは思わなくて。響は私たちのような親になってはダメよ。ってそんなこと私に言われたくないわよね。ごめんなさいね。」
「母さん…俺は母さんがなんで俺を産んだのか分からなかった。母さんに何かしてもらった記憶なんて何一つないし。けど今日出産に立ち会ってこんな大変な目にあって俺を産んでくれたんだと思ったら産んでくれたことに感謝したんだ。」
「響…。」
「赤ちゃん、すごく可愛いんだ。抱っこしてあげてくれないか?」
「響…私が抱く権利はあるの?」
声が震え涙声になっている。
「あぁ。みんなに望まれて産まれてきたんだって子供に思って欲しいんだ。」
「ありがとう…ありがとう…。」
「釧路で出産したんだ。東部総合病院。」
「わかったわ!」
そういうと電話が切れてしまった。
ん?
母はすぐに出てくれ、
「響どうしたの?珍しいわね。」
と言った。
「今さっき赤ん坊が産まれたんだ。俺、父親になった…。」
「えぇ?!本当?よかったわね。玲奈さんは無事なの?赤ちゃんは元気なの?」
「あぁ、母子共に元気だ。」
「よかったわね…あぁ、あなたが父親になるなんて…。」
母さんの声は少し震えていた。
「喜んでくれるの?」
「もちろんよ!もちろん嬉しいわ。」
「母さんは俺が産まれたときどうだった?」
俺は聞かなくてもいいことまでつい口に出てしまった。
「響を産むときは大変だったわ。陣痛を我慢しながら誠を抱え病院へ向かったわ。響は2人目なのに難産で、心音も下がってしまって緊急で帝王切開になったの。お父さんもおじいちゃんたちもなかなか来ないし誠もいるしどうなることかと思った。でも心音が下がってるのを聞いて背筋が冷えたわ。無事に産声を聞いた時には手が震えたわ。」
「…。そっか…。母さんありがとう。」
「響…。」
「…。」
「私もお父さんもいい親ではなかったわ。仕事が忙しくて何一つあなたのことが分からないんだもの。あなたが何を考え、何を思うのかも分からない。運動会も卒業式も出たことがない。最低だとわかっていたわ。」
俺は声がつまり何も言えなくなった。
「毎日寝顔だけをみていたわ。寝顔じゃあなたのことは何も分からないのに。誠のことも響のことも幸さんに任せっきり。でも2人とも伸び伸び育ってるようで安心してたの。」
「でもね…誠が亡くなってお父さんも私もショックだった。誠が山登りが趣味だと知らなかった。その日も山に行ってたなんて知らなかった。誠は私たちの希望を伝えると応じてくれていたけど本当は何をしたくて、何を考えてるのかも知らなかったんだと思い知らされたわ。誠のこと何も分からなかった。友達の名前さえ知らなかったの。その憤りを響に向けてしまったわ。響にはなんの責任もないのに。」
「…。」
「それなのに響は会社のため誠の分まで背負って頑張ってくれてるのをみて私は思い知らされたの。私は誠を失って何も知らなかったことを反省しているのに何故響を知ろうとしないんだろうって…。響にまた強要するばかりで響のことを何も知らないままでいいのかって。」
「…。」
「結婚をお父さんに強要された時にそれだけは拒否して玲奈さんを連れてきたわね。私たちはあの時それも許せなかったわ。何故私たちのいうことをきかないのか、と思ったわ。でもね、それが間違いだったって今になってやっとわかったの。響にも心があって、私たちの所有物ではないんだと。」
「…。」
「ごめんなさい。響のことを見ようともしないで…。響の声に耳を傾けないで…。お正月に来てくれたのに玲奈さんにも冷たくしたわ。だからもう許してもらえないと思っていたの。それなのに今日電話が来て本当に嬉しかった。もう私から連絡は出来ないと思っていたから、まさか響から電話が来るとは思わなくて。響は私たちのような親になってはダメよ。ってそんなこと私に言われたくないわよね。ごめんなさいね。」
「母さん…俺は母さんがなんで俺を産んだのか分からなかった。母さんに何かしてもらった記憶なんて何一つないし。けど今日出産に立ち会ってこんな大変な目にあって俺を産んでくれたんだと思ったら産んでくれたことに感謝したんだ。」
「響…。」
「赤ちゃん、すごく可愛いんだ。抱っこしてあげてくれないか?」
「響…私が抱く権利はあるの?」
声が震え涙声になっている。
「あぁ。みんなに望まれて産まれてきたんだって子供に思って欲しいんだ。」
「ありがとう…ありがとう…。」
「釧路で出産したんだ。東部総合病院。」
「わかったわ!」
そういうと電話が切れてしまった。
ん?