冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~
「そうですか…」

「響は副社長として立派だ。対外的にも社内的にもよくやってるよ。けど、嫁まで政略結婚でぶら下がられたら倒れちまう。君にも事情があるからなんだろうが響を助けてやってくれ。さっきは戸籍が傷つくと言ったが君の1年を響にくれないか。」

「…事情はとてもよくわかりました。すでに聞いているかと思いますが私も困ることがあったのでこの話にのりました。ギブアンドテイクですね。」

「あぁ…。」

「もちろん金銭は契約書以外はいただきません。響さんを困らせないように振る舞うよう努力します。彼がいなければ私はどうしたらいいのか分からず本当に頭が真っ白で、世の中は真っ暗でしたから。」

「ありがとう。君には申し訳ないがよろしく頼む。俺も君のサポートにこの1年全力で尽くすよ。」

「ありがとうございます。」

米山さんに差し出された手に私も手を差し出し握手する。

連帯感が生まれたように思った。
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