冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~
そこからは結婚に向けての相談が始まった。

食事が運ばれてくるものを食べながら決めるべきことなどをどんどん話し合っていった。

何せ日数がない…

私にはできるだけ早く退職して欲しいとのことだった。

そして着付け、お茶、テーブルマナーを最低限マスターして欲しいとのことだった。

また、式に向けドレスの打ち合わせや私の招待客についての相談もあった。
 
招待客…いないわけにはいかないよね。
でも両親にも言えない結婚。
1年後には離婚するのに友達にも言えないよ…。

「もし困ってるなら役者さんに頼みますか?人材派遣に頼めばいくらでも来ますよ。」

「いいんですか?!」

「もちろんです。両親と友人20人くらいにしますか?」

「ありがとうございます。」

「便利な世の中だなぁ…。」

「本当に…。お金で両親の用意ができるなんて。」

「お金で嫁も用意できたけどな。」

「そ、そうですね…」

ちょっと肩をすくめると米山さんは笑っている。

この人ぶっちゃけた性格でいい人なのかもしれない。
情に厚い人なのかもしれない。
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