冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~
米山さんに紹介され、着付けとお茶をこの狭山さんに習うことになった。付け焼き刃かもしれないがマスターするまで週2回通うことになった。

1人で着物が着れるよう何度も繰り返す。
腰紐をきちんと締めていないと胸元が緩んでだらしなくなるが私にはその加減がわからない。
少し崩れると帯締めまで緩んでしまい見せられるような着方ではなくなる。
何度も練習し、加減をわかるようになるしかない。

お茶も足が痺れ、たまらない。
痺れてしまいもぞもぞしてしまう。
お茶をいただくのはまだいい、立てるとなると少し動いたせいで一気に痺れだしその状態から動けなくなる。
着物を着てるので余計に身動きも取れず立ち上がるときにはフラフラしてしまう。
狭山さんに呆れられるが座り方を伝授される。
だんだん慣らしていくしかない。

狭山さんはもう全てにおいて私に苦笑いしかない。
覚えが悪い挙句正座もまともに出来ないなんて申し訳ない…。

マナー教室に向かうが緊張してうまくいかない。
自信喪失…
でももともとそんな自信はどこにあったのか分からない程度のもの。
全て一から習うんだもの。

人間為せば成る!

私のモットーだ。

あともう一つ、私のモットーがある。

女は度胸!

勇気をもってすれば何とかなる、と私は常にこの二つの言葉で行動してきた。

今回の契約婚もそうだ。

やるっきゃない!
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