冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる～愛なき契約夫婦の艶美な一夜～

翌日、私たちはまたぴったり寄り添うようにホテルを後にした。

その後、響さんの車に乗り込み家へ帰宅した。

新婚旅行はもう少し先に…と話してるとのことで明日からは出勤だそう。

さぁ、私は明日から何をしよう。

もちろんマナーや着付けの教室は続く。
頻度は少し下がるが継続は力なり、なので続けていくことになる。
でも週5日はヒマ…。

あら、何しよう…
家事全般しなくていいし、かと言って仕事もできないし。

好きなことをしてていいと言われても先立つものもなく妻としてもお飾りの私。

ひとまず近くの図書館を調べ、通い始めた。

教師の両親に育てられた私はテレビよりも読書が好き。

ジャンルは問わない。
人気のものだったり、推理小説だったり、恋愛だったり…歴史物も基本活字ならなんでもいいのかもしれない。

今日は有名な魔法使いの本を読み進めた。
数年前にイギリスで大ベストセラーになり日本でも一気に火がついた。
当時私も読んだが改めてまた読みたくなった。
改めて読むとこんなところにこんなキーポイントが隠れてたのね、と思うことが見えてくる。
すごく面白い。
私は時間を忘れて閉館になるまで読んでしまった。

家に帰ると珍しく明かりがついていた。

あ…響さんが帰ってる？

「おかえり」

「あ、お疲れ様です。」

「ご飯食べる？俺今食べるところだから一緒に温めようか？」

「私がやります！響さん着替えてきてください。」

「そう？ありがとう」

私は急いで手を洗い、冷蔵庫の中から作り置きの食事を出してきた。

温めながら、簡単に味噌汁をつくった。

私がダイニングに運び始めると響さんも出てきた。

向かい合わせがいいのかしら？
横並びで2人でテレビの方を向きながら食べる？
斜めの位置でお互いプライベート不介入な感じで食べる？

どうしよう。

悩んでいたら響さんも運ぶのを手伝ってくれ、悩むことなく向かい合わせで食器を並べ始めた。

私もそれにならい向かい合わせで並べ始めた。

「「いただきます」」

2人で声を合わせお手伝いさんのご飯を食べ始めた。
いつもダシかきいていて美味しい。

「あれ？味噌汁があるなんて珍しいな。久しぶりに飲んだなぁ。」

「あ、私が作ったんです。汁物が飲みたいと思って。」

「そうなの？ごめんね、俺までもらっちゃって。」

「1人も2人も変わりませんから。」

「ありがとう。」

そのあとは特に話すわけでもなく、テレビの音だけがリビングに響いていた。

片付けは私がすると言ったが準備をさせたから、と響さんが食洗機に入れてくれた。

私はお風呂に入り、自室へ戻った。