冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~

新婚生活?

コンコン…

「はい」

「ごめん、俺。」

私が部屋から出ると響さんがカードを持っていた。

「これを渡すの忘れてたよ。必要なものがあればこれを使っていいから。」

クレジットカードの家族カードだった。

「頂けないです。ご飯も不自由してませんし、何より借金を払っていただくだけが条件でしたから。」

「でも1年間仕事もできないんだ。お金に困る
だろう。それにこれは必要経費だ。君の事だからむやみやたらには使わないだろう。パーティーの服とか美容院代もかかるから持っていてくれ。」

「でも…。」

「必要なものだけ買えばいい。あとは月5万お小遣いをあげよう。それでどう?」

正直1年間図書館だけの毎日も辛い。
それに化粧品やコンタクトなど必需品を買うためのお金も借金返済に貯金を使わずに済んだとはいえそんなにはない。ギリギリだ。

「いいんでしょうか。お小遣いいただいて。」

「もちろんだ。でも必要なものはカードを使いなさい。」

「じゃ、私からもいいですか?」

「もちろん。」

「私、仕事も1年間出来ないしやることが基本ないんです。毎日図書館に通い詰めるだけなんです。出来れば私が掃除や食事を作ってはダメですか?その給料としてお小遣いの5万を頂けると気が楽なのですが…。」

「は?」

「ですから、私が家事をします、と。」

「そんなことしなくていいと言ったはずだ。」

「はい。でも暇なんです。仕事もないし、やることなくて毎日困ってるんです。」

「遊んで過ごせばいい。」

「でも内緒の結婚なので友達にも言えません。お金も正直そんなことばかりしてたら尽きてしまいます。」

「玲奈は家事がやりたいの?」

「やりたい、というか暇なので…。それにご飯は小さな頃からやってるので基本的なことはできます。もちろん、お手伝いさんの方がよければ食事はやらなくてもいいです。その代わり掃除だけでも…。」

「やらなくていいって言ってるのにやりたいなんて変わってるね。ま、玲奈がやりたいなら家事全般任せるよ。来週からお手伝いをキャンセルするよ。」

「ありがとうございます。」

「じゃ、材料費はカードで。あと、食べない日はメールする。時間がすれ違うからお手伝いさんのように冷蔵庫に入れてくれたら自分でやるから。」

「わかりました。朝はどうしますか?」

「朝はいつも会社に行く途中でおにぎりを買ってるから大丈夫。」

「わかりました。」

私は響さんからカードを受け取り、来週から家事をすることになった。

やることが出来てよかった。
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