冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~
今日も響さんは早めの帰宅。

私が食べようと温めていたら玄関が開いた。

「おかえりなさい。」

「あ…ただいま。」

「ご飯食べますか?今、私も温めてるんです。」

「食べようかな。」

「じゃ、着替えてきてくださいね。」

「あぁ。」

私は2人分の食事を盛り始めた。
響さんは見ているとかなりな量を食べる。
あの細い体に良く入ると思うほどに。

私の倍量近く取り付け昨日と同じようにテーブルは並べた。

響さんが戻ってくるのを待っていると、
「あれ?食べ始めてていいんだよ。」

「いえ、少しくらい待てますから。」

「そっか…ありがとう。」

「「いただきます」」

2人で声を合わせ食事を始めた。
今日も私の作った汁物を添えた。

また無言でテレビの音だけが鳴り続ける部屋でご飯を食べた。

お互いのことを何も知らないので共通の話題がない。

それにプライベート不介入の約束だ。
私は忠実に守るつもり…だった。

「あのさ、味噌汁好きなの?」

「え?!」

「味噌汁!」

「えぇっと…味噌汁だけでなく汁物全般が好きなんです。かきたま汁とか豚汁、けんちん汁、アサリとか、なんでもですね。」

「そうか。俺も好きだな。汁物あるとご飯が進む。」

「そうですよね。日本人ですね。」

「そうだな。そういえばメールの件なんだけど明日寿司屋なるようだ。寿司が食べられる個室、という感じかな。」

「そうですか。わかりました。」

「服や小物はその都度買い揃えてもらって構わないから。」

「そんな…勿体無いじゃないですか。この前の式の後のワンピースじゃダメですよね。専務や常務の前だと派手ですよね。今回は買わせていただきますが使い回しの利くものを選んできますね。」

「そんな節約しなくていいんだ。俺に付き合わせてるだけなんだから。」

「そうはいかないです。私も既に払っていただいてますから。」

「君は堅実なんだな。彼はそうでなかったようだが…」

「そうですね。彼はIT系と聞いてますが詳しくは教えてもらえなかったし、結局半年前に会社自体が夜逃げのようだったみたいなので何をやったら会社だったのか…。なんでも彼を信用してたので、疑うことを知らなかったんです。私も悪かったです…。」

「玲奈が悪いことなんてないよ。借金をさせるなんて最低だ。君は怒るべきだ。借金のせいで君は戸籍までバツをつけることになったんだから…付けさせる俺も悪い男だが。」

「響さんは悪くないですよ。あなたのおかげで助かりました。あの時助けてくれなければ借金をどうしたらいいのか本当にわからなかったんです。返済方法もわからないし、私は響さんに感謝しかないです。恩人です。」

「大袈裟だよ。」

「そんなことない!私の恩人です。だから私はあなたを裏切らないし、あなたのためになりたい。」

「ありがとう。」

「でも…もともと地味なのでお出かけ用の服がなくて通勤着しか持っていなくて。なので申し訳ありません。それだけは買わせてください…。」

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