冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~
里美さんに連れられエステへ向かう。

初エステ。

フェイシャルをしてもらい首元からリンパの流れを良くしてもらう。

うわぁ、極楽だわ…

頭皮のマッサージまでされ、私は眠くなる。

うとうとし始めた時に終わりの声がかかる。

あと少しで寝落ちしたのに…。

そのあと里美さんにネイルサロンへ連れて行かれる。

結婚式の当日ネイルし忘れていることに気がつき慌ててその場凌ぎのネイルをしてもらった。
今もそのままになっており、ややハゲ気味。

はぁ〜…また女子力の低さを露呈したわ。
がっくりしていると、里美さんが私に代わりオーダーしてくれる。

とても上品なフレンチネイルで、薬指だけストーンが一つ付いている。

慌ただしくネイルサロンを出ると今度はヘアサロンに移動する。

里美さん御用達らしく個室が用意されており、アップスタイルにされる。

「ねぇ、近いうちまたここに来れる?」

「はい。」

「じゃ、カラーの予約して行って。カットは揃えるくらいでいいから。カラーの指定は私がしていくわ。」

「はい…わかりました。」

私の意見はなく、里美さんは美容師さんと相談していく。

私に聞かれてもさっぱりわからないからされるがままが1番だろう。

アップスタイルになったところでようやく里美さんの出番。

私に化粧を始める。

「玲奈さんお肌綺麗ねー。若いからモチモチしてるし羨ましいわ。」

「ありがとうございます。」

「でも今から手入れしてないと後から後悔するわ。あとでおすすめを教えてあげる。」

「プチプラしか使ったことないので…無理かも、です。」

「だからぁ〜、お金は大丈夫よ。」

里美さんは契約婚だと知らないのだろう。
私は正直に言えないことを心苦しく思った。

「副社長の、いずれは社長になる妻の身なりは大切よ。それに文句つけるはずがないわ。自分のためでもあるんですもの。」

そっか…
私のためではなく響さんの体裁を保つため、なんて思いもしなかった。
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