冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~
「さぁ、さぁ、副社長、玲奈さんお座りください。」

上座へと促され私は恐縮してしまうが響さんは当たり前のように腰掛ける。

私もそれに倣い、小さな声で「失礼いたします」といい座らせていただく。

響さんが私の紹介をしてくれる。
「妻の玲奈です。先日まで朝比奈商事で働いてたんだけど結婚と同時に退職したんだ。うちとは畑違いだから仕事のことは何もわからない。よろしくお願いします。」

「玲奈と申します。至らないことが多々あるかと思います。精一杯努力いたします。よろしくお願いいたします。」
私は手を付き頭を下げた。

するとみんなビックリして、
「玲奈さん、そんなことやめてください。私たちこそよろしくお願いいたします。」
と声をかけてくれた。

米山さんが皆さんを紹介してくれる。

「常務の長野さん、寺内さん、専務の山川さんです。」

「長野です。この度はご結婚おめでとうございます。これからどうぞよろしくお願いします。」

「寺内です。ご結婚おめでとうございます。先程から可愛らしい奥様で癒されましたよ。これからどうぞよろしくお願いします。」

「山川です。ご結婚おめでとうございます。本日はお時間いただきありがとうございます。こちらは私たち3人からのお祝いでございます。お使い頂ければ、と思います。」

「皆さんありがとうございます。お祝いまでいただいて嬉しいです。」

私が響さんを見ると彼も私を見つめながら、
「皆さんありがとうございます。今日お祝いの席を設けていただいただけでなくお祝いまですみません。玲奈、見させていただいたら?」
と声をかけてくれる。

「はい。」

私が包装をそっと開けさせていただくと中から素敵なグラスが出てきた。

透明ではなく角度によって色々な色に見える。

「素敵!」

思わず声を出すと、
「喜んでいただけましたか?実はガラス作家さんの作品で有名な方ではないのですが、私はこの色合いやいびつな形に惹かれてしまって。」

「素敵ですね。飾っておきたいような色合いですね。ありがとうございます。大切に使わせて頂きます。」

「副社長はビールがお好きだからそれで2人で晩酌してくださいね。」

「ありがとう。使わせてもらうよ。」
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