冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~
食事が始まると私との馴れ初めを聞かれたりした。

でも響さんは「それは内緒ですよ」とはぐらかしてくれた。

私は微笑むだけ…
だってなんて言ったら良いのかわからないんだもの。

趣味なども聞かれるが当たり障りなく答えると響さんは私の回答が心配なのか見てくる。

そして目が合うとにっこり微笑んでくれる。

私が勘違いしそう…。

でも今のところ失敗はしてないっていう微笑みよね。
よかった。
あと少し頑張らないと!
でも私たちの目が会うたびに皆さんから冷やかされる。

なんだかんだと和気藹々な雰囲気の中お開きとなった。

私は皆さんに改めてお礼を伝え、持参していたお菓子を渡した。 

無難にバームクーヘンだ。
結婚の引き出物としてもよく使われているもの。
年輪だから縁起がいい。
それに嫌いな人はいないだろう…と言う考えのもと購入を決めた。

「今日は本当にありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。これ、ささやかですがお受け取りいただますか?」

「え?かえって気を使わせてしまって申し訳ありません。」

「いえ。こちらこそとても嬉しかったです。ありがとうございました。」

皆さんに喜んで受け取っていただけ安心した。

響さんも私を見て頷いている。

「では、また明日。」

私たちは先にタクシーに乗車した。
助手席に米山さんも乗っており一緒に帰るようだ。

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