冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~

休日

翌日、土曜日だが私は相変わらずやることがなく図書館に行こうとしていた。

響さんは珍しく休みのようでリビングでくつろぐようだ。

私は邪魔にならないように、夕方まで家を留守にするつもりだ。

いそいそと出かける準備をしていると、
「どこに行くの?」
と聞かれた。

「図書館に行ってきます。夕方まで帰らないです。」

「そんなに長い時間行くの?」

「他に行くところが思いつかなくて…」

「え??暇つぶしなの?」

「いえ…本は好きなんです。でも毎日となると…ちょっと飽きてもきます。」

「そりゃそうだよ。今日はやめたらいいじゃない。」

「いえ。私が家にいたら響さんにのんびりしてもらえないので…。」
とつい言わなくていいことまで出てしまい、声が尻すぼまりになってしまった。

「何言ってるの。今は2人の家なんだからのんびりしなよ。」

「ありがとうございます…。」

「やることないの?暇なの?」

「はい。でも来週から家事ができるので少しは時間が早く感じるかもしれないですね。助かります。」

「ごめん、そんなに時間を持て余してたんだな。世の主婦は何して過ごしてるんだろうな。」

「そうですねぇ…でも子育てとかあれば忙しいんじゃないですか?」

「なるほどなぁ。」

「私はこの前まで働いていたから使い方が下手なんだと思います。もう少し何か出来るよう考えてみます。」

「この際何か習い事とか資格取ってみたら?1年あるし…。」

「いえ…まぁ…考えてみます。」

「お金は心配ない!今、玲奈は俺の嫁だから。」

「響さんは優しいですね…」

「優しかったら玲奈にこんな鬼畜な契約を持ちかけないさ。」

寂しそうな顔でいう響さんに心配になる。
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