冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~
「なぁ、玲奈は来週から家事するだろう。買い物にでも行くか?スーパー分かるか?」

「スーパーはこの辺りは高いので隣の駅のところに行くつもりです。この前見てきたら安くて新鮮そうでしたよ。」

「れーなー!安いはいいってば。」

「ごめんなさい。響さんの妻なのにそんな店で買ってることが知れたらマズイですよね。気がつかなくてごめんなさい。」

「そういうことじゃないよ。あんまり気にしなくていいんだよ。玲奈の負担にならないことが1番なんだ。」

「散歩になってちょうどいいんです。公園も通るし、噴水もあるからマイナスイオン出てますしね。」

「そっか。なら今日俺も連れて行ってくれない?」

「庶民のスーパーですよ?」

「俺、普通に暮らしてたよ。コンビニのご飯も食べるし、なんならカップ麺も食べまくってた。副社長に就任するにあたってここに引っ越してきたけどそれまでは1DKだったよ。だからこの広さには慣れなくてさ。」

「えぇー?!食べたことあるんですか?」

「もちろんだよ。カレーもラーメンもなんでも好きだよ。大学の頃から一人暮らしだったから自炊もできるし。」

「えぇ?!ずっと家政婦さんがいるものだと思ってました。」

「まさか…。そんな訳ないじゃん。広くなった分掃除は来てもらってるけど料理は玲奈が来るから頼んだんだよ。俺は今まで適当に食べてたし。」

「私のためだったんですね。」

「またそういうこと言うと玲奈は気を遣うから言わなかっただけ。俺も家にあるなら家で食べたかったし。」

「響さんのことが知れて嬉しいです。ちょっと今日でイメージ変わりました。」

「そぉ?」

「はい!なんか堅そうな人だなぁって思ってみたり、優しいなと思ってみたり…セレブかと思ったらカップ麺も食べるって言うし。」

「玲奈は?玲奈はどんなことが好きなの?」

「私はとにかく安定の地味さです。親譲りの石橋を叩いて渡る性格と言いますか…。恥ずかしながらファッションにも疎いです。最低限のマナー程度で流行とかわからないです。美味しいものを食べるのは大好きです。」

「ふむふむ。」

「あとは読書が好きですね。ジャンルは問わず、基本活字が好きなんだと思います。」

「へー。」

「あとは…これと言ってお話しすることがなくて…。」

「お酒は好き?」

「嫌いではないです。ただ、皆さんのように陽気にはなれず、雰囲気を楽しませていただく感じです。なので1人家飲みすることも多いです。私だけ酔わずにテンション上がらないから場が白けるらしくて。」

「家飲み最高じゃん。好きなことしながら飲むの良いよ。俺は寝転がりながらテレビ見て飲むこともたくさんあったよ。これからは玲奈を気にせずゴロゴロやっとくよ。」

「はい、是非。」 

「玲奈も家飲みして。」

「フフッ、そのうち…」

「なら今日しよう!お互いのことを知らなすぎるから友達として今日は家飲みしよう。つまみも一緒に作ろう!」

「楽しそう!」

「そうと決まればまずは買い物だな。」
 
「はい!」 

「着替えるまで待ってて!」
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